2014年4月の健康保険の改定で、小臼歯の被せ物に白い被せ物(CAD/CAM クラウン)が適応になりました。
保険点数が安価に抑えれているので、技工所に出す場合、熟練技工士に出せる訳ではなく、適合精度の追及も困難ですが、健康保険で白い歯が入るという現実は、非常に画期的な改定だったと思います。
一般の人は、歯科医師が、健康保険で歯科治療を全て良質に賄えるはずで、自由診療と健康保険治療では、白いか銀かのモノの問題だけで、技術的には、歯科医師はベストを尽くしてくれているはずだと考えられているように思いますが、現実的には、困難です。
腕がいいと、同じ時間で精度のよいものができるのではないか?と思われるでしょうが、精度を上げるには、より多くの治療時間を必要とします。丸の内デンタルオフィスでは、1時間~2時間に1人という予約時間を確保していますが、1時間や2時間みっちり、治療をし続けても時間めいいっぱいかかることのほうが多いです。
健康保険では、非常に安価で気軽に治療が受けられる代りに、1回の時間は30分単位で並列診療を行い1日20人~25人もの治療を行う流れの一環の中で、白い歯を入れなくてはいけないのです。白い歯の調整は、金属より丁寧に扱わないといけないのですが、同じ単位時間で済まするのは大変です。
健康保険を中心とした歯科医院でも、自由診療のセラミック治療は、自由診療を中心としたクリニックと同じようにできますが、作業工程やシステムの違いと、慣れの問題で治療結果が違ってしまうだけでしょう。
自由診療ばかりやっているから腕がいいという訳ではありません。小人数しか診療しなくていいのであれば、俺だってピカイチのものが作れるという先生も大勢日本にはいらっしゃるのです。
ある意味、日本人は非常に器用で精度の良いものをつくる能力に長けていると言えますが、健康保険制度というルールの元では、本気の力が発揮しにくいのです。
実需として、健康保険の料金を希望されている人が大半だとすると、その需要に応えるのは歯科治療の理想とはかけ離れてしまいますが、しかたないと思われている先生が多いのが現状だと思います。
その中で、健康保険制度で小臼歯に白い歯が入ることになったという改定は、ここ数十年の歯科の中では画期的出来事だと私は感じています。テレビに映った日本人の多くが笑うと、銀がキラリと見えてしまうことは多いと感じていますが、これからは、かなりの人が、銀のキラリが無くなるかもしれないと思うと、うれしくなります。
色がぴったりじゃなくても、銀か白かでいうと白の方が審美的には絶対いいと思います。もともと歯に銀色は無いのですから。奥歯の大臼歯は今回適応になりませんでしたが、そこまで欲を言わなくても、小臼歯までは白く作れることになったことは、歯科界としては喜ばしいことだと思いますし、時代のニーズにも合っていると思います。
こらから先の改正で、大臼歯にも白い歯が入れられるようになったり、前歯にセラミックが入れられるような時代がくると日本人の歯から銀が消えていくのではないかと思いますが、国民のみなさんが健康保険でセラミックの歯やインプラントが入れられるように要望してほしいものです。
歯の審美的内容・治療費・治療期間などについて、ご不明点などございましたら、
お電話もしくはお問合せフォームよりお気軽にご相談・お問合せください。
お気軽にご連絡ください
といったお悩み相談でも構いません。
あなたさまからのお問合せをお待ちしております。
月曜日~金曜日
(土・日・祝は休診)
10:00~13:00
14:00~19:00
1時間に1人の完全予約制です